名古屋の猫専門お悩み相談所&ペットシッター「にゃんコール」

Blog by Yuko Suzuki

「猫との暮らしを楽しむ」ブログ

ノブリン教授から応援メッセージをいただきました *仮暮らしハウスプロジェクトvol.07

つなぐ猫活動

2021.04.17

【新しい家族探しを余儀なくされた高齢の闘病猫たちを守りたい】
URL:https://camp-fire.jp/projects/view/368955

 

兼ねてから、ご夫妻ともども親交があった、大学教授のN.Y(通称ノブリン)様から、とてもとても心強い応援メッセージいただきました。

 

今回のクラウドファンディングプロジェクト「家族を失う猫さん達に【仮暮らしハウスを】〜新しい家族探しを余儀なくされた高齢の闘病猫たちを守りたい〜」に対する応援というだけでなく、人間にとって猫さんが担うことのできる役割、にゃんコールが目指す未来(vision)として掲げている「猫を愛する人々が、あたりまえに【生涯幸せな猫との共暮らし】を実現できる社会」に対する現実的な課題、今回のプロジェクトの課題に対する意味など、さまざまな事柄についてのレポートのような内容にもなっていて、(また過分なお褒めのことばも頂戴して💦)あらためて気持ちが引き締まる思いでいます。

 

ぜひ、皆様にも読んでいただけたらと思います。
なお、クラウドファンディングプロジェクトの活動報告に掲載の短縮版とは異なり、こちらは全文となります。

 

 

応援メッセージ

家族を失う猫さん達に【仮暮らしハウスを】応援メッセージ

ノブリン先生の愛猫「たま」りん

 

鈴木ゆうこさんがついに保護猫救済のためにクラウド・ファンディングCAMPFIREで資金募集を開始しました。

鈴木さんとは10年来の知合いですが、その”猫愛“は半端ではありません。東京ではともかく、名古屋ではまだ馴染みがなく果たして事業として成り立つかどうか?が付いた頃に鈴木さんはキャット・シッターを始めました。詳しくはGoogleにnyancall(にゃんコール)で検索すると詳細に活動が紹介されています。

鈴木さんは、日頃から自分のことより人のことを優先する性格で、【猫のために自分の生活を犠牲にすることを厭わない女性】です。自宅を猫使用に改装し、自分は狭い部屋に引き籠っても、猫にはキャットウォークを設置したり、広い空間を確保するなどすべてが”猫ファースト”の生活を送って見えます。その猫愛には頭が下がります。私はよく冗談で“猫の恩返し”がきっとありますよと言っています。鈴木さんは、猫のことなら何でも知っている”猫博士“になることを目標にして日夜研鑽を積んで見えます。そのため猫に関係する各種の資格を取り、自分の食事より猫の食事に気を遣い毎朝猫の食事を用意して見えます。

 

ここ10年位になりますか、放置される保護猫が問題になり、特に東北大震災の折に止む無く置き去りにされたペットをある獣医さん保護し、NPOを立ち上げ保護したことで問題がクローズアップされました。

私は、今後この保護猫問題は結構重要な問題になってくる気がしています。少しその社会的背景についてお話させてください。

人間にとって最も悲しいことは何でしょうか。答えは”孤独“です。よく言われるように人間と言う字は【人の間】を意味します。これは多くの人達と関係を保ちながらその中の一人として自分が存在することを意味します。そもそも、人類が氷河期など過酷な自然環境を生き残ったのはお互いに協力して集団で敵に対処したからです。恐竜のような強い動物が絶滅し、人間のように最も弱い動物が生存できたのは、弱いがゆえに一人が二人、二人が三人と皆で協力し、知恵を働かせて生き残ってきたからなのです。つまり人類と言う種は一人では生きていけない種なのです。

遠藤周作は自著『イエスの生涯』でキリストの意味を”永遠の同伴者“と定義しています。「あなたが孤独に耐えられなくなった時、私(イエス)の名前を呼んでください。私は常にあなたと共にいます」これが”永遠の同伴者”の意味です。このように孤独を何が癒してくれるかは今後ますます重要な問題になってくると思います。

その背景は人口問題です。日本の高齢化率は約3割で世界一の超高齢社会です。しかも、世帯人員がどんどん下がり、単身の高齢者世帯がどんどん増加しています。名古屋市の場合でも、平成22年度に高齢単身世帯が10万世帯であったのが15年後の平成37年度には約6割(6万世帯)増加して16万世帯になると推計されています。

孤独な高齢者が増えると、どのようにして孤独を癒すかが課題になります。返事をするロボットと言う答えもあるでしょう。でも圧倒的に癒されるのは生きた動物、つまりペットです。ペットの代表は犬と猫ですね。ところが犬はここ1年で飼育頭数が平均約50万頭ずつ減っています。恐らく、飼い主も高齢化し毎日の散歩が辛くなったのではと考えられます。

一般社団法人ペットフード協会が発表している飼育頭数の推移では、猫は横這いですが、犬が減少しているため猫の飼育数が犬を上回り逆転現象が見られます。

しかし、高齢者が増加し、孤独を癒すため猫を飼ったとして、その飼育は果たして持続可能でしょうか?内閣府の「動物愛護に関する世論調査」では、家庭で犬、猫などのペットを飼っている人の世代別割合は50~60歳が44.5%、60~69歳が36.4%、70歳以上は24.1%だそうです。このことは、大変多くの高齢者がペットを飼っていることを意味します。今後もこの傾向はさらに顕著になっていくことは容易に予測できます。

そんな中で気になるのは飼い主が介護や入院が必要になった場合です。その場合ペットはどうなるのでしょうか。

ペットと入居できる老人ホームや高齢者向け住宅の数はまだまだ少ないのが現状です。ペットと暮らす一人暮らしの高齢者をサポートする取り組みも始まってはいますがまだまだ不十分です。

私も猫を飼う高齢者なのでよくわかりますが、もし愛猫たま(横尾忠則さんの“たま”と同名)が先だった時に自分は果たしてペットロスに耐えうるのだろうか?またその後、猫を飼っても自分が先に逝った場合愛猫はどうなるのだろうかなど不安ばかり頭を過ぎります。恐らく多くの愛猫を飼う高齢者は同じ悩み、不安を抱えているのではないでしょうか。

アンケート結果を見ても「家族の一員同様に共に生活する世帯が増える」43.3%。「老後のパートナーとしてのペットの重要性が増す」39.8%。「高齢者が病気などでより飼育できなくなるペットが増える」31.8%。となっています。特に性別では男性より長生きする女性の割合が高くなっています。

超高齢社会の中、一人暮らし高齢者が増加することが確実に予測される今日、ペット需要は確実に増加します。特に猫は確実に増えると思います。一方、何らかの障害で飼育を放棄せざるを得ない状況も確実に増加します。そうなればいわゆる野良となる猫は増加する一方です。現在名古屋市でも殺処分を避けたいと努力しているようですが譲渡会などでも若い猫は貰い手がありますが高齢猫の貰い手は極めて少ないのが現状です。

その意味では、今の、人とペットとの関係は“持続可能”ではないのです。

こんな中、鈴木さんが立ち上がりました。実際鈴木さんが関わった方が病気で6匹の猫が飼育不能になったのです。しかも猫ちゃんは病気持ちや高齢猫です。何とかしたいと猫愛いっぱいの鈴木さんは、自宅の一角に中古のコンテナーを購入設置しとりあえず6匹を何とか保護し、その後も同様の事情で飼育できなくなり困った猫を引き取り、譲渡会に出すなど次の引き取り手が見つかるまでの仮ハウスを始めたとお伺いしています。

そのためには、資金が必要です。クラウドファンディングの締め切りは今月いっぱいです。現在(4月16日)209人の方からご寄付を頂きました。残り13日。現時点で目標の38%です。

いよいよ最終ラウンドが近づいています。“たかが猫、されど猫”です。私も猫から学んだことは多く、本に匹敵します。いやそれ以上かもしれません。本は読んでもオキシトシン(ラブホルモン)は出ませんが、猫のモフモフとゴロゴロは脳に伝わり脳内ホルモン・オキシトシンが出ます。高齢者の健康には極めて重要な脳内ホルモンです。先日愛知県美術館で“横尾忠則展”を鑑賞しました。横尾先生は“たま帰っておいで”という病死した愛猫たまの鎮魂の書を最近出版されました。早速入手して読みました。私の愛猫たまとダブリ序文から涙涙でした。死後たまを追憶して描いた数十枚のたまの絵が美術展では掛かっていました。その絵を見てまた泣きました。

少し横道にそれましたが、このプロジェクト是非成功して貰いたいと心から祈念しています。猫を愛おしむ気持ちは人間にも通じます。猫に優しくなれれば、人にも優しくなれます。今世界中で寛容さ(トレランス)が無くなり人の気持ちが荒んでいます。グリフィスの名作”イントレランス“が示唆するように戦争はこのイントレランス(不寛容)から生じます。

今まさにコロナがそれに輪をかけています。こんな時だからこそ少しでも優しくありたいと思うのは私だけでしょうか。

鈴木ゆうこさんは今その優しさを保護猫に注いでいます。このプロジェクトの成否は皆さんの気持ちにかかっています。コロナの中だからこそ優しさと慈愛に満ちた心でいたいのです。このプロジェクトの成功を祈り、”エール”を送ります。

大学教授 N.Y(通称ノブリン)

 

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